世の中には、
「教育資金を十分に用意するのが難しい」
という方もいらっしゃると思います。
「十分」というのも、これまた人により金額が変わってきます。
私立高校、私立大学にまで行けるお金を用意出来たら「十分」という方もいます。
公立分をなんとかすれば「十分」だという方もいるでしょう。
いずれにしても、
「どのタイミングで、いくらかかるのか?」をはっきりさせると、
自ずといくら積み立てる必要があるのかもはっきりします。
同時に、
その積み立てが現状可能なのか、
不可能なのかも、
はっきり解ってしまいます。
では、
もし不可能だったら?
「希望進路に必要なお金を積み立てることが、
今のままでは無理だ」
そうはっきりと解ってしまったら?
私たち親は、
その事実をどう受け止めればいいのでしょうか。
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もくじ
親の人生、子の人生
自分を責めてはいけない
まず最初に言っておきたいのは、
「あなたは自分を責める必要はない」ということです。
たとえば、
高校大学と私立文系に行く場合、必要資金は約800万円です。
こどもが3人いたら、2,400万円。
仮に20年で2400万円を貯めようとするなら、
毎月10万円をつみたてる必要があります。
2400万円÷20年÷12ヵ月=10万円
「いやいや、毎月10万なんて無理だよ!」
そうなったとしても、
あなたは自分を責める必要はないと思うのです。
- もっと給料が良かったら・・・
- 自分がもっとしっかりしてれば・・・
- 3人目はやめておくべきだったのでは・・・
- 希望の進路に進めなかったら・・・
そう思ってしまう事もあるでしょう。
罪悪感に苛まれるかもしれません。
後悔に沈むかもしれません。
不安に押しつぶされそうになるかもしれません。
それでも、
あなたは自分を責めないで欲しいのです。
責める必要がないし、
責める意味がないように思います。
これは長年FPを続けた経験の中で、そう感じています。
なぜなら、
本当の正解など誰にもわからないからです。
大学に行かないと不幸?
本当の正解などわかりません。
仮に、
本当の正解を、「子供の幸せ」とします。
では、大学にいったら子供は幸せなのでしょうか?
英才教育を受けてる人は皆幸せでしょうか?
よりお金のかかる教育を受ければ、それが子供にとっての幸せなのでしょうか?
逆に、
奨学金を借りる人生は不幸ですか?
高卒の方の人生は、専門卒の方の人生は不幸ですかね?
私にはどうしても、そうは思えないのです。
私立大学に行っても、医学校に行っても、留学をしても幸せじゃなさそうな人はいます。
私は奨学金を借りて進学しましたが、今とっても幸せです。
子供の幸せに進路は関係ありません。
進学できないとスラム街での生活を余儀なくされるんでしょうか。
それなら話は変わって来るかも知れません。
でも日本にいる以上、それはありませんよね。
本人の望む環境に、大人になってからいくらでも行ける時代です。
そして、人には向き不向きがありますから。
大学に行くのが幸せな人もいます。
同時に、大学に行かない方が幸せな人もいるんです。
「ならどっちでも行けるようにしておいた方がいいだろう!」
という声が聞こえてきそうですね。
たしかに、そうかも知れません。
でも、そうではないかも知れません。
選択肢がない事がプラスに働くこともあります。
まぁあんまり言うと屁理屈に聞こえてきますね。
しかし、事実として、
蓋を開けてみないとわからないのです。
だからやっぱり、
本当の正解などわからないのです。
教育資金のことを考え、
もしあなたの心が暗く沈んでいるのだとすれば、
それは子供が不幸だからではありません。
あなたが沈んでいるのは、
あなたが、あなたを責めているからです。
あなたの状況が、あなたの希望に沿わないからです。
あなたの体裁が、守れないからです。
あなたの期待が、裏切られたからです。
あなたの予想が、外れたからです。
つまり、
これは子供の話ではなく、「あなたがどうしたいか」の話なのです。
子の責任はいつから本人のもの?
そうは言っても、
子供が良い学校に行けず、良い会社に入れなかったら。
やはり自分の責任になってしまうのでは?
そんな風に感じる方もいるでしょう。
私は、あなたの責任ではないと思っています。
あなたも因果関係の一つではありますが、あなたの責任ではないと思います。
ここで考えてみて欲しいのですが、
子の責任はいつから本人のものになるのでしょうか?
100歳になる方が、ご臨終の際に
「私の人生はろくなもんじゃなかった。
親の責任だ。私ではない。全部親の責任だ」
と言っていたら・・・。
なんとも言えない気分になりますよね。
65歳になる方が、
「退職金がないのは親の責任だ!」
と言っていたら。
40歳になる方が、
「結婚できないのは親の責任だ!」
と言っていたら。
30歳になる方が、
「ニートでいるのは親の責任だ!」
と言っていたら、本当にそうなのかなと思ってしまいます。
厳しい言い方かも知れませんが、
いつまで親の責任にするつもりなんでしょうか?
ニートでいるのは、その人が働きたくないから。
就職先をえり好みしているからでしょう。
それが悪いとは言いません。
会社で勤めることが全てではないですから。
しかし、
ニートでいる責任は、親ではなく、その人にあると思うのです。
では、もっと若い年齢ならどうでしょう?
20歳で
「留年したのは親の責任だ!授業に出席しなかった自分の責任じゃない!」
15歳で
「受験に失敗したのは親の責任だ!勉強不足の自分の責任じゃない!」
6歳で
「アニメが見れなかったのは親の責任だ!なかなか帰らなかった自分の責任じゃない!」
0歳で
「あぐー!あぁー!ぶー!」
わたしが親の責任と思えるのは「あぐー!」くらいです。
あなたがどうしたいか
「いやいやいや、待て待て、学費が足りなくて行きたい学校に行けなくても、子供のせい?親のせいでしょう!子供はお金を用意出来ないんだから!」
言わんとする事はわかります。
しかし、「子供がお金を用意できない」というのがそもそも間違いです。
奨学金を借りて自分で返すことが出来ますし、
在学中に働いて学費を稼いでいる人だっています。
本人が本気で行きたいなら、本人の力でなんとかなってしまうのです。
事実として何とかしてる人がたくさんいます。
「親がお金を用意できなかったから、自分は大学行かなくてもいいや。」
と本人が判断した時点で、
大学に行かなかったのは本人の責任だと思うのです。
自分の人生の責任は、自分にある。
私たち親は、その真実を子供に教えなければいけません。
ニートである事を親のせいにするような子に育って欲しくはないですよね。
そのためには私たち親も、
その真実を再認識する必要があると思うのです。
子の人生の責任は、子にあるのです。
言い換えれば、
子の人生の責任を取るのは、子です。
あなたは責任を取れません。
親ができるのは、「できる限り」のサポートだけ。
社会が暗黙の了解でやれと言っているサポートではありません。
「あなたの出来る限り」のサポートです。
何度も言いますが、
これは「あなたがどうしたいか」の話なのです。
あなたは、あなたの人生を生きた方が良い
子の人生の責任は、子にある。
というと、
「じゃあ教育資金なんて用意しなくていいってことかよ!」
「そんな無責任な考えはできない!」
という声が聞こえてきそうです。
気持ちはわかります。
でもいいんです。
用意したくないなら、用意しなければいい。
好きにしたらいいのです。
あなたがそうしたいなら。
あなたの人生なのですから。
色々ひっくるめて、天秤にかけ、
「用意したくない」と思えばそうすればいいと思います。
もちろん、
なんとかして用意してあげたいなら、ぜひ用意してあげて下さい。
「全部は無理だけど、これくらいの金額までは用意してあげたい!」
というのも有りでしょう。
誰にも責める権利はありません。
教育資金は大金です。
その大金を用意するためにかかる、あなたの「労力」や「思い」。
それらを踏まえて、いくらまで用意してあげたいかを真剣に考えてみてください。
あなたは、子供にいくら用意してあげる人生がいいですか?
そこで出た答えでいいと思います。
あなたは、あなたの人生を生きればいいと思うのです。
だから、
一般的に高校大学は私立分を用意した方がいいと言われていて、
それが現状無理そうだったとしても、
自分を責める必要はありません。
ここで必要なのは、ただひとつ。
決断する事です。
大切なのは決断する事
教育資金がこのままでは足りないと解った時に必要なのは、
自分を責めることではありません。
決断することです。
希望額に足りない現状に対して、どう対処するのか決断する事だと思うのです。
「いくら足りないのか?」
はっきりと目を向けて、
「足りない部分をどう埋めるのか?」
これからの行動を決める事です。
子に奨学金を借りてもらって、足りない分は自分で貯めるのか?
転職をして給料を増やすのか?
主婦をやめてパートで働くのか?
パートをやめて正社員で働くのか?
それとも、
割り切って進学は諦めてもらうのか?
自分で稼いで行ってもらうのか?
選択肢は色々あります。
その中で、あなた自身の答えを決めて頂ければと思います。
具体的な選択肢をいくつか見ていきましょう。
教育資金が足りない時の選択肢
現状のままでは、希望進路に叶う金額を用意するのが難しい場合。
一体どんな選択肢があるのか?
ざっとこんな感じになります。
- 支出を減らす
- 貸し付けを受ける
- 収入を増やす
具体的に見ていきましょう。
①支出を減らす
まず考えるべきは、
無駄な支出を減らすこと。
これは積み立て資金が足りない場合はもちろんのこと、
足りていてもやっておいた方がいいです。
狙い目は「固定費」です。
たまごの安いスーパーを選んだり、買いたいものを我慢したりするのも止めはしませんが、まずは固定費を見直しましょう。
- 保険
- 住宅ローン、賃貸費用
- 住宅購入費用
- 節税
- スマホ、ネット環境
これらは一度改善すれば、継続して支出を抑える事になります。
月2万円を改善したら、20年で480万円の改善です。
これだけで私立大学に行けます。
固定費の改善について、もう少し詳しく知りたい方はこちらも読んでみて下さい。
FP視点での節約をまとめてあります。
《無料プレゼントで読めます》
「節約するなら弁当やめろ」
著:田中伶
②収入を増やす
固定費の改善が終わったら、次は収入を増やせないか検討してみましょう。
- 転職する
- パート、正社員になる
- 副業をする
私は自分で創業しているので、副業を勧めたくなりますが、
転職やパート・正社員になるというのが間違いないと思います。
副業は空いた時間でトライしてみて、当たればそれを本業にしていきましょう。
月5万円でも収入が増えたら、
20年で1,200万円です。
子供1人なら余裕ですね。
③貸し付けを受ける
貸し付けの選択肢はこちら
- 奨学金を借りる
- 教育ローンを借りる
- 親(祖父母)から借りる
奨学金を借りるのは子です。
そのため、子が育ってから自分で返します。
一方、教育ローンを借りるのは親です。
こちらは親が返すことになります。
新時代の考え方
「うちは奨学金で行ければいいのよ!」
と割り切るのも全然有りだと思います。
FP相談をしていると色んな方がいます。
なかには、
資金を準備できないからではなく、
子の為に用意しない方もいます。
「自分のお金は自分で稼いで、人生の経験にして欲しい」
「今は大学なんて行かずに、自分で専門的な事を学んだ方が良い。」
こういった考えは決して珍しいものではありません。
むしろ、今後はこういった家庭がどんどん増えていくのではと思っています。
まとめ
教育資金の準備について、大変個人的な考えを書かせてもらいました。
この記事で伝えたかったのは、
「自分を責めることなく、前を向いて行動しよう」
ということです。
FPを長年続けてきて、
本当に心の底から思うのですが、
やりようはいくらでもあります。
大丈夫です。
心配いりません。
あなたの家族が安心して子育てに励めることを、
心から願っております。
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